「仙臺事物起原考」の装丁
昨日の投稿で「仙臺事物起原考」の中身を紹介させていただきましたが、実は本書の装丁が本当に素晴らしいのでちょっと脇道にそれて、装丁のことを書いてみました。
基礎知識として、「本」の各部の名称です。もっと詳しく知りたい方は、印刷屋さんか、製本屋さんのWebページをごらんになるといいのですが、私のお薦めのページは有限会社イフさんのWebサイトの、左側のサイドバーにあるメニューから印刷・製本辞典をクリックしてください。とても見やすく使いやすい用語集があります。
本の各部の名称

さて、まず”仙臺事物起原考”の製本ですが、製本には大きく2種類ありそれぞれ「上製本」、「並製本」といいます。本書はもちろん上製本です。専門的には、さらに丸背(本の背が丸く仕上げてある)、溝つき(表紙を開きやすくするためにつける)ということになります。ケースが付いていますが、「貼り函」という丁寧に作られた函です。
函から少し本を出したところ

丁寧なつくりの貼り函

また、上製本の場合、中身を作ってから硬い表紙でくるむ方法がとられますが、その「表紙くるみ」にも「タイトバック」、「フレキシブルバック」、「ホローバック」と3種類あります。本書は「ホローバック」という様式を採用しており、本を開くと中身が表紙の背から離れるのでいっぱいに開くことができます。開閉もしやすい優れた様式です。
ホローバック

中身の背の上下には「花布(はなぎれ)」という飾り布も付けられています。これは本来は本を丈夫にするためのもので、日本古来の和本の角裂(かどぎれ)に由来し、「はなぎれ」という呼び名も「かどぎれ」を意識して付けられたようです。

最後に、本書の奥付です。通し番号が打たれ、製本者の捺印がされています。自信と誇りを持って仕事をされているんですね。

本当にこんな丁寧でしっかりした製本を見たのはしばらくぶりです。その意味でも良いものを手に入れたと思います。
ということで、今回は「仙臺事物起原考」の素晴らしい”仕事”をご紹介させていただきました。
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